ヱヴァンゲリヲン

【徹底分析・TV版エヴァンゲリオン】第参話・「鳴らない、電話」

1~2話にかけて、やっとに思いで、使徒に勝った、ネルフ一同と碇シンジ君。

本編は立ち向かう相手を待ちつつ、主人公碇シンジにフォーカスを合わせていく。

新世紀エヴァンゲリオン 第弐話「見知らぬ天井」構成

Aパート・主人公碇シンジと等身大の社会の世界観

必死の思いで使徒に勝った碇シンジだが、葛城ミサトのもとで始まった生活に戸惑いを隠すように一人に閉じこもる。

新しい学校ではクラスメートに絡まれたりと、同年代の他人とかかわることがうまくできない、碇シンジの性格が垣間見える。

碇シンジは、幼いころ現在ネルフ総司令官でもある父に捨てられた経験からか、表情が硬く、陰鬱なイメージがある。

碇ゲンドウに呼ばれる前は一体どんな子供時代を送っていたのかはわからないが、暗くさびしい幼少期だったことに想像がつく。

鈴原トウジ、相田ケンスケたちとの衝突でさえ、その姿勢は崩さず、手痛い経験をする羽目になった。

Bパート・沈黙の中の苦しみ

一人の中学生としての日常を送りながら、使徒への訓練に励む生活を繰り返し、死んだような目でエヴァンゲリオン初号機の戦闘訓練に挑む姿は、見ているこっちも苦しくなる。

その表情からはシンジの心の内側の根深い闇が垣間見え、次第に心を閉ざしていく姿が見える。

そんなシンジの異変にも気づかず、第2使徒が現れ、シンジたちの住む第3新東京都市を襲う。

劣勢の末に何とか勝利を収めることができたが、戦闘での恐怖と周りの人間に理解されないことへの疎外感が碇シンジを孤独に殺していく。

まとめ・主人公にフォーカスを当てたストーリー

第三話は構成全体を通し、碇シンジという人物を理解するというないようだった。

一般的なロボットアニメだと、敵や、それに伴う窮地など、何かに向かって主人公が突き進んでいくというストーリー構成だが、ヱヴァンゲリヲンはむしろ逆だ。

新しい敵や窮地に至っても、主人公碇シンジは上の空。

碇シンジにとって、命を懸けた戦いなどどうでもよいのだ。

幼いころ父に捨てられた寂しさと、孤独への恐怖

それこそが碇シンジにっとって一番の課題なのだ。

だが、その性格からかうまく他人との距離のとりかたがわからず、苦しみの殻に閉じこもってしまう。

堂々巡りの人との情念に苦しみ、あと一歩が踏み出せず、足りない。

そしてそんな碇シンジを葛城ミサトたちは、まだただの中学生という事実をわすれ、それがシンジをさらに孤独にしてしまう。

エヴァンゲリオンの真のテーマは碇シンジ自身が他人との絆を得る、物語だ。

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