『天空の城ラピュタ』
飛行石と、大空に浮かぶ巨大な帝国を目指して、大空を目指す宮崎駿監督が手掛けた、スタジオジブリ長編アニメ。
その中で、女空賊の船長でもあるドーラが、さらわれたシータを奪還すべくパズーに同行を許可した時に放ったことば
「40秒で支度しな」
は、インパクトがあり、40秒と言う微妙な違和感がなんとも心に残るワードとなって、作品内での名シーンともなっています。
今回はその言葉を紹介していきたいと思います。
「40秒で支度しな」と言ったのはドーラの親心
「40秒で支度しな」のセリフの真意は、ドーラの親心です。
ドーラにとってパズーはただの炭鉱夫の手伝いですが、シータが軍隊に奪われたとしり、奪還するため、シータを大人しくするためにパズーを手なずける下心があります。
ですが、ドーラはパズーの申し出をはっきりと断ります。
パズーの同行を決めるんのはその後に、パズーからシータを奪われた悔しさを聞いたあとなんです。
後に、同行後の飛空艇でパズーたちに情を寄せてたことが、語られます。
実際の映像では何秒かかったのか?
実際はロープを切ってから25秒しかたっていません。
ドーラが柱に縛ったパズーの縄をナイフで切り離してからパズーは、ゴーグルを手に取り、勝っていた鳩を逃がすことだけして、ドーラたちが乗ってきた小型船に乗り込みます。
本当に1分もしないで、パズーは生まれ故郷を捨ててドーラたちと共にシータを助けに行きます。
また、実際の自衛隊では、スクランブル発進も25秒以内に戦闘機を発進させます。
そのことからも、パズーだけでなくドーラたち自身も相当な訓練を積んでいるようですね。
「40秒」のドーラがパズーに言い放った言葉の意味
では、パズーに対してドーラが親心で40秒と言う時間を指定したのはなぜでしょうか?
「1分!」でもなく「すぐ!」でもなく、中途半端な時間を指定した理由を考えてみましょう。
40秒以内に出発しなければならないから
ドーラが軍部の暗号通信を傍受するとすでに、大型飛空艇ゴリアテの接近を知らせるものでした。
どれだけ時間があるかもわからない以上、正面から大型飛空艇にシータが収容されたら手が出せません。
時間がわからない以上、迅速な行動を要求されます。
いつも40秒で支度しているから
劇中冒頭でもドーラたちが飛行艇を襲いシータを取り逃がす際、訓練された兵隊さながらの迅速な動きを見せています。
ドーラたちにとって海賊行為の手法は、迅速に電光石火で目的を果たす、盗むといったものではないでしょか。
また、ドーラ自身、だらけた生活を好むようには見えません。
海賊と言えど、厳しい規律を課しているのでしょう。
パズーに心の準備をさせないため
パズーの縄をほどく際、ドーラは2度と戻ってこれないことを約束させます。
ドーラにとってもパズーの同行はその後シータにラピュタの財宝まで案内させる必要があります。
考える時間を与えれば、一見悩んでしまうと考えるかもしれませんが、ここはむしろ考えさせないために40秒と言う短すぎる時間を指定したのではないのでしょうか?
パズーの器量と覚悟を見るため
私なら40秒で何も用意できません。
上着と靴を履いて終わりでしょう・・・。
そのため、40秒と言う時間の中で試されるのは、とっさの判断における器量と必要でないものを切り捨てる覚悟でしょう。
ドーラ自身「ぐずぐずする奴は嫌いだよ!」と発言しているため、同行する前にパズーがどれだけ自分で考え行動するか確認したのでしょう。
またここで、もたもたと後ろ髪を控えれうように感傷に浸るのならシータを助けに行く覚悟もその程度、パズーの言葉に胸を打たれたとはいえ、その真意の覚悟を見たかったのだと思います。
小ネタ・40と言う数字は旧約・新約聖書が元ネタ?
実は40と言う数字は旧約聖書・新約聖書において、意味深な数字です。
旧約聖書ではモーゼがシナイ山で断食を行った日数でもあり。
新約聖書でもキリストが荒れ地で断食を過ごした日数が40日間です。
作中でもラピュタ伝説がもともと旧約聖書に登場する一説から伝説とされたことが語られているため、宮崎駿監督も頭の片隅にあったのだと思います。
「40秒で支度しな」ドーラの発言の意味
ドーラの「40秒で支度しな」のセリフは単に発した言葉ではなく、パズー、シータに対して今後のラピュタの財宝探索と親心が絡んでいます。
僅か数秒の子のシーンですがこのセリフのおかげで記憶に残るものになりました。
何の変哲もないこのセリフもドーラの作品の中での活躍があとあと印象深い意味を持たせているのですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。