宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」
第81回ゴールデン・長編アニメーション部門最優秀賞を見事に獲得した本作。
受賞に対して喜んだだろうが、人によっては
「どうして受賞したのかわからない?」
という人もいるのではないだろうか。
実は自分もそうだ。
そこで、どうして今作がアカデミー賞受賞したのか調べてみると、意外なことが分かった。
今回は第81回アカデミー賞の舞台裏を調べてだした答えをのひとつを解説したい。
群を抜いて宮崎駿監督の作品があまりにもよかった。
実は今回のノミネート作品の中では今作「君たちはどう生きるか」は群を抜いて作品がよかった。
今回長編アニメーション作品にノミネートされた作品は、日本から宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」、「すずめの戸締り」、海外から「マイ・エレメント」「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」「ウィッシュ」
海外作品の半分はコミックスやゲームなどメディアミックスから誕生した作品があり、他オリジナル作品も年齢層が低いディズニー作品となっている。
それに比べ、日本の作品は2つとも監督が書き下ろした原作アニメーションとなっており、またスタジオジブリ作品に関しては手描きの表現が秀逸で、作品内容もそれを際立たせた。
『君たちはどう生きるか』と他ノミネート作品とちがい。
上記したように「君たちはどう生きるか」の作品は他ノミネート作品よりも、評価が高い。
それは、海外レビュー米The Hollywood Reporterなどの評価でも高かった。
だが、大きく違うのはやはり制作にかかった費用と技術だろう。
従来の作品をメディアミックスしただけでは、評価されないハリウッド。
2つの日本ノミネート作品を置いて、残りの4つのほとんどはネットフリックやディズニーチャンネルの配信を意識し作れている傾向がみられる。
変わって「君たちはどう生きるか」「すずめの戸締り」は劇場観賞メインとした作品づくりをしているため、おのずと作品の品質が高い。
ディズニーのオリジナル作品「ウィッシュ」についても、年齢層が低く、また作品性や技術性に目新しいものがなかった。
単純な視聴者の数で言えば、サブスクリプションで配信している海外アニメ映画のほうが有利のはずなのだが、ハリウッドは売上高を求めているわけではない。
評価されたのは創作性と芸術性を重視した作品造り
ピクサー映画など、歴代でゴールデングローブ賞受賞した作品にはほかに「ミラベルト魔法だらけの家」「リメンバーミー」「ベイマックス」、「千と千尋の神隠し」の前に「シュレック」があります。
これらに共通するのは、原作オリジナル、革新的な表現や技術がある、劇場鑑賞をターゲットにしている作品ということだ。
だが、今回「君たちはどう生きるか」と一緒にノミネートされた作品には、際立って技術面の向上、一新は見られないと思う。
表現性に関して言えばた作品はもう「CGをいかにフル活用するか」が際立ってしまい表現性の創造まで至っていない。
とはいえ、最新3D作品に対し、アナログ作画をメインとした今作が2000四半世紀を超えてなお通用するのは
、ジャパニメーションのよさであろう。