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【徹底分析・TV版エヴァンゲリオン】第弐話・「見知らぬ、天井」】

前回、父との再会を喜べぬまま、エヴァンゲリオン初号機に乗り込んだ碇シンジ

「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ…」は、ちょっとした物まねのネタになり。

これからというところで、第1話は終わってしまった。

勝負の1話としては、肝心の使徒との戦闘をする前に終わってしまうという終わり方は、庵野秀明氏からすれば

「戦闘シーン」にこだわらず作品の肝であるエヴァンゲリオンの登場シーンを一番見せたかったのであろう。

新世紀エヴァンゲリオン 第弐話「見知らぬ天井」構成

Aパート・作品性を重視した冒頭の始まり

冒頭では、前回途中で終わってしまった使徒との戦闘から始まる。

だが、盛り上げた期待を裏切るように日常パートがすぐに始まってしまう。

ストーリー構成上、バトルシーンが途中で頓挫してしまうなど考えられないことだ。

その後の日常生活では、ネルフの上部組織である「ゼーレ」が登場。

作品の方向性を示唆するように謎めいた人物や組織が登場し、普段目にする勧善懲悪といった作品ではないことと、

使徒と言う敵がいつ襲ってくるかもわからない状況において、当たり前の日常を送る登場キャラクターの姿が、

旧来の「主人公の日常が崩壊し戦いに巻き込まれる」といった作品ではなく。

日常の中の平和を守るという、保守的なストーリー展開は、ほかのアニメ作品ではまず見ることはない。

Aパートラストのシーンは、自分たちの守った街が夕日に照らされていくさまは、非日常を描くアニメではなく、どこか自分たちの経験した日常経験を思い起こさせ、従来のアニメ作品とは違う、カタルシスを覚える。

Bパート・ストーリーラインよりも演出を

使徒との戦闘での勝利の後、碇シンジは驚くことに葛城ミサトとともに暮らすこととなる。

見知らぬ女性と見知らぬ街で。

ベッドで疲れを癒すシンジは、見知らぬ天井を見上げ先日での戦闘の結末を思い出す…

ここでやっとのことで、最初の戦闘に戻る。

激しい激戦を思い出し、ベッドで丸くなるシンジ。

そんなシンジ、今日から同居人となるミサトは、ねぎらいの言葉をかける。

庵野秀明の思惑・何故戦闘シーンをAパートとBパートに分けたのか?

今回一番気になるのは、何故戦闘シーンをAパートとBパートに分けたのか?

通常ならば戦闘シーンをAパート、Bパートで分けるなどありえない。

さらに言うなら、今回の戦闘シーンは前話数からも分断してあるので、視聴するものからすると忘れてている可能尾性がある。

だが実際の見てみた感想は大成功だった。

冒頭、前話の戦闘シーンから始まり、いきなりの場面展開。

「早くさっきの続きが見たい」

と言う、気持ちを引き出しつつ、後半まで引っ張る。

フラストレーションと期待感が高まる後半のラストに驚愕の展開させることで、使徒との初戦を1話と2話を使って大々的に演出した。

今回のエヴァンゲリオン対使徒との初戦は、リニューアルされた新劇場版ヱヴァンゲリヲンでもリメイクされた。

まとめ

碇シンジとエヴァンゲリオンをめぐっての1日は終わった。

前後編に分かれた構成は、今までのアニメ作品とかけ離れたドラマチック展開と、どこか親近感が漂う世界観は、鑑賞後、興奮や見終わった達成感ではなく、何故か切なさに似たような感覚を味わった。

非現実なアニメ・ロボット・SFという作品をここまで日常に溶け込ませた作品は未だ類を見ない。

作品全体を通して、等身大のキャラクターたちが自分たちと同じように我が家に帰り布団で寝る。

ここらへにもエヴァンゲリオンの面白さがある。

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