児童文学作家:柏葉幸子が描く東日本大震災と被災東北を舞台にしたヒューマンファンタジー作品「峠のマヨイガ」の公開予定が発表されました。
声優を芦田愛菜とアニメ映画で数々の賞をとている脚本家吉田玲子が送る心温まる作品となっており、原作と大きく設定が異なっていることから、大きな注目を集める作品としても目が離せません。
「峠のマヨイガ」とは
岩手県の狐崎を舞台にした、東日本大震災で家族と家を失った2人の少女が古民家で暮らす、老女のもとで妖怪たちと暮らすヒューマンファンタジーです。
舞台となる岩手県狐崎は、アニメ映画化にあたり原作者自身の体験から書き下ろされた児童文学をもとにしており、声優に芦田愛菜や現・岩手県知事:達増拓也など、岩手県全面協力のもとに作られた作品です。
原作:柏葉幸子が書く「峠のマヨイガ」とは?
原作となった児童小説では、映画と違い、純粋に被災地岩手県で家と家族を失った2つの家族と古民家で一人、家族がなくなっていることを知らない老婆の家に、身内と偽り震災で家を失った主人公:萌香が転がり込む話になっている。
原作小説「峠のマヨイガ」は2016年には第54回野間児童文芸賞を受賞し、東野物語をモチーフに作中登場する妖怪たちは、震災地を舞台にしたという重たい内容を明るくし、児童書としても一品だ。
声優・芦田愛菜、心に傷のある少女を演じる。
作中の主人公の女の子:ユイは今や子役としても声優としても人気の高い芦田愛菜が演じる。
現在では、「映画:えんとつ町のプペル」の主人公のルビィッチ役を演じ、その演技力が声優でも生かされることを知らしめた。
作品を知らないという人でも、女優芦田もしくは声優芦田を楽しむだけでも見る価値あり!
原作と映画では少しだけ設定が違う箇所?ファンは納得するのか
今回の作品で特筆すべきは、脚本家吉田玲子氏の脚色にある。
脚本家・吉田玲子はアニメ脚本家として、2014年、東京アニメアワードアニメ オブ ザ イヤー部門に輝き。
代表作として、
「聲の形」
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
「若おかみは小学生」
など、大人から子供まで幅広い客層に支持をされ、脚本・脚色された作品はどれも関係部門から表彰を受けている。
原作では主人公萌花と、全くDVの夫から逃げ出した主婦ユリエと、それを自身の家族と勘違いをする山名キワとの暮らしが描かれており、
映画では登場人物、名前、設定が全く違い、作品の舞台とテーマをそのままに、脚本家・吉田玲子が一からストーリーを作り上げている。
原作では、つらい過去をもつ2人と老婆とのヒューマンドラマが描かれているが、アニメでは芦田愛菜演じるユイとその妹ヒヨリと祖母キワと田舎街を舞台に河童や狛犬などがひしめくハートフルドラマになっている。
映画化に向けての脚色と言うことだが、登場人物でかなりの脚色がされている、原作ファンにとっては少し残念かもしれないが、脚本家・吉田玲子の筆で書かれる、全く新しい作品として作り出されるのは、安心して楽しめる作品になると思われる。
笑ってよし泣いてよしの作品をぜひ子供と一緒に見てほしい作品として仕上がった夏休みのイベントとして映画をチョイスしてはどうだろうか。
劇場公開日:2021年8月27日
配給:アニプレックス
制作 david production(デイヴィット・プロダクション)