「天空の城ラピュタ」は、スタジオジブリ作品の中でも地上波最多の作品になります。
また、放送時ではSNSなどで作中のセリフの「バルス」をつぶやく「バルス祭り」とも言われる社会現象まで起こるようになりました。
今回は作中で登場する「バルス」のセリフの意味やその言葉に込められた「決して使ってはいけない理由」を考察していきたいと思います。
「バルス」の意味は「閉じる」
バルスはラピュタ語で「閉じる」を意味する言葉です。
天空の城ラピュタの中では、この呪文は2つあり、もう一つはシータがムスカに閉じ込められた部屋で祖母の言葉を思い出した時口ずさんだ呪文にあり、シータはその言葉に「我よ助けよ、光を甦れ」とつづっています。
ムスカはその呪文をラピュタへの道を開く鍵と称し、ラピュタに対し蘇るというより開かれるという連想をしています。
「バルス」の呪文がもたらす結果
シータとパズーが呪文を唱えると二人の手に握られた飛行石は光をほとばしり、それと当時に別の場所に安置された巨大な飛行石はラピュタの遺跡を上へ上へと運んでいきます。
遺跡の底を支えていたブロックは次々と崩壊し、わずかな遺跡と巨大樹は残っていました。
「決して使ってはならない」と伝えられた理由
少し気になるのですが、なぜシータの祖母は「決して使ってはいけない呪文」をシータの教えたのでしょう?
ですが、「バルス」のラピュタ語の意味が「閉じる」という意味を考えると違った見方が見えてきます。
「閉じる」と言う意味には、ラピュタの遺跡ではなく、ラピュタそのもの全てを封印する意味があったのではないでしょうか?
なぜ滅びの呪文が「閉じる」を意味するのか
シータの祖母は「バルス」を滅びの呪文と称してシータに伝えています。
ラピュタの滅びとは一体何を指しているのでしょうか。
子供のころは単純に「崩壊」や「消失」をエンディングから読み解いていました。
ですが、バルスの意味が語る「閉じる」と言う意味は、むしろ「終焉」を指しているのではないでしょうか?
「永遠にこの文明を閉じる」
決して使ってはいけない理由
シータの祖母がラピュタの真実を知っていたはわかりません。
ですが、ある程度ラピュタ文明が人類において危険なものということだけは感じていたのではないでしょうか?
不思議なことシータの祖母は「復活の呪文」「滅びの呪文」の両方を教えています。
危険とわかるならそんな呪文など伝えずにいればいいだけなのに、今まで伝承してきたのは、
ラピュタを本当の意味で永遠に封印するためではないでしょうか?
仮にムスカがラピュタを手に入れたのなら世界的な紛争が起きてしまうはずです。
そんな時やはり、完全に力を消失するためには、上空の入道雲の中に封印するのではなく、跡形もなく崩壊するしかなかったのではないでしょうか。
ラピュタ文明はそもそも人類の手に余る文明のため滅んでしまった部分もあります。
故にシータのラピュタの末裔たちは、いつか誰かがラピュタを発見し封印を解いたときに、本当の意味でラピュタの歴史を閉じる思惑があったのではと考えます。